一般財団法人子供の城協会

ダウン症児・者療育の草分け的な存在の施設です。
クローバーの会は子供の城協会に通うダウン症児・者の親が立ち上げた会です(通っていない会員も多くいますが)。
そのため、現在でも密接な関係を保っています。

※ホームページは、下記画像をクリック

クローバーの会の皆様へ

                            子供の城協会 理事長  安藤 忠

 

 私は、生涯発達に懸念のある子どもたちの早期療育を目的とする、「財団法人 子供の城協会」の理事長として、ダウン症やその他の“発達障害児”の療育に心を砕いていますが、財団の運営に当たっては、クローバーの会の布留川先生にもご参画いただき、貴重な意見を、拝聴することもしばしばで、大変お世話になっており、感謝に堪えません。

 この文は、そのことに対するお礼と子供の城協会についてのご紹介です。

 これまでの、子供の城を運営するに当たっての私共の方針は、大きくは、「障害に関わる専門知識の集積」を「家族を中心とする地域の関係者へ提供する」ということに尽きます。

 「ダウン症児の育ち方・育て方」や、「成人の写真集」や、胎児診断について取り上げた、「ぼくどうして生まれちゃいけないの」の出版や、全国に展開する24支部の活動もそのひとつですが、一般市民や保育・教育の専門家や保護者向けの、知識の収集と提供の場として、40年来継続している「夏季障害児教育連続講座」も独自の活動として重要視しています。

 今年も、7月後半に予定しているこの講座は、実績のある研究者や実践者に、発達に懸念のある障害児の自主性を引き出し、自己決定できる子に育て上げるための最新の理論と方法について解説していただき、参加者と自由に意見交換をする機会を提供するものです。講演内容は、「発達障害児の特性の理解と関わり方」、「子どもの施設での発達支援を楽しく」、「子どもの施設での楽しい集団つくりと遊び」、「子どものやる気と自主性を育てる」で、子どもの発達援助に関わる現代的技法、例えば、言語発達には「インリアル アプローチ」、環境の再整備には「TEACCH」、運動感覚と言語発達には「感覚統合」、子どもとの基本的接し方には「応用行動分析」という、最も安定した効果を挙げるとされる考え方の理論と、日常生活での応用の実際について、易しく、詳しく、丁寧に紹介します。

 また、個別の相談会も開きますが、詳しくは、子供の城協会のホームページを御覧ください。

 クローバーの会は、全国の親の会と連携して、地域での子どもの生活の場の確保・充実・拡大と、大人になってからの自立生活、特に、就職問題に一定のめどをつけることを当面の取り組み目標にしておられるとお見受けしますが、それから考えると、私たちの取り組みは、ほんの入り口の短期間のサービスでしかないわけです。しかし、それでも、開業以来6,500人を超える「悩める保護者と子ども」の切実な想いを受け止めてきましたし、その利便性を拡大するために、最近スマホによる育児相談(遠隔医療システム)を実験的に開始し、韓国やインドネシア在住の日本人家族からの定期的参加を見るようになりました。この試みは、世界でも初めてのことですが、まだその成果を発表する段階ではないので、慎重に進めていきます。

 そういえば、先日、静岡ダウン症児の将来を考える会の40周年記念のお知らせを受けました。その長い活動の継続には敬意を表したいと思いますが、それに劣らぬ歴史を持つクローバーの会の今後のさらなるご発展を願っております。

 有難うございました。今後ともよろしくお願いします。