わが子がダウン症と診断されたお父さんへ
By お父さんA
わが子が「ダウン症」だと主治医から伝えられたとき、それがどういうことなのか・何をしたらいいのかも分からず、ただ呆然と立ち尽くした私がいました。
でも、「夫であり、父である自分がしっかりしなきゃいけない」それだけを心に思ったものでした。お父さんが何をすべきか‥私なりの考えです。
- まずは、お母さんに優しく心強い言葉を伝えてあげること
お父さん以上にショックなのはお母さんです。こどもを産むという重労働を終え(もちろん妊娠を告げられてから、体への大きな負担を抱えながら、ずっとおなかの中でわが子を育ててきたうえで、大変な思いをして産んだのです)、その結果、こどもに障がいがあると告げられる‥これほどつらいことはない‥だから、お父さん、お母さんに触れながら「一緒にこの子をしっかりと育てよう」とはっきりと言葉で言ってあげてください。
- ダウン症についての正確な知識を知ること
ダウン症児が生まれる原因はインターネット上では種々取り上げられているが、正確な情報を得て、心無い言葉に対抗できるよう、しっかりした知識を得ること(インターネット上で得る情報を全てと思わず、主治医から遺伝子の専門家を紹介してもらい、積極的に正確な情報を得ること、ダウン症に関する講演があれば、積極的に参加すること、書籍からも正確な情報を得ること)。
- お母さんには冷静に接してあげよう
お母さんはお母さんなりにインターネットなどを通じて色々な情報を得ます。子育てに対する不安も大きく、心無い言葉を発してしまうこともあります。でも、お父さんがダウン症に対する正確な知識を持っていれば、冷静に聞いて、冷静に答えてあげられるはず‥今、お母さんにとって最大の味方はもちろんお父さんなのです。
- こどもの健康状態を把握すること
ダウン症児は合併症を持つ場合が多く、心臓など、緊急の手術を受けなければならない場合もあります。主治医の先生はお母さんにだけ話をされる場合もあります‥お母さんからの聞き伝えだけではなく、主治医から直接話を聞いて把握しましょう。
- 保険の知識を持つ
障がい者を持つ人の入れる保険は限られています(「AIU」や「ぜんち」など)。手術が必要な場合、その前に入れる保険がないか確かめてみましょう。
- お母さんの健康状態を把握すること
主治医や看護師さん、病院のソーシャルワーカーの方などに聞いて、常にお母さんの体と心の健康状態を知っておきましょう‥それによって、お母さんにかけてあげる言葉もかわるはず。
- お兄ちゃん・お姉ちゃんのケアも忘れずに
お母さんは赤ちゃんの世話に相当手を取られるはず‥お兄ちゃん・お姉ちゃんがいる場合は、どこかに連れて行ってあげるなど、さびしい思いをなるべくさせないこと。そして赤ちゃんは家族全員で育てるんだということを言葉で伝え、共通認識を持つこと。
- 支援者を増やしていく
お母さんと相談しながら、まずは近親者に赤ちゃんがダウン症を持っていることを伝えよう。自分に近い友達にも早いうちに打ち明けたほうが良いと思います‥支援の輪を広げておくと、思わぬ情報が入る場合があります。
- 同じ境遇のお父さんと出会おう
赤ちゃんが生まれて少し時間が経ったとき、保健師さんなどの紹介で地域のダウン症者の親の会などに入会するかもしれません。地域の親の会の定例会は平日に行われることも多く、仕事の都合上、お父さんが参加しにくい場合も多いです。親の会のクリスマス会などのイベントにはお父さんが積極参加して、同じ境遇のお父さんたちと知り合うのは重要なことです。相手の考え方に刺激を受けたり、話をして共感したり‥お互いがこどもの支援者となれるのです。また、障がい者関連の講演会や、イベントなどにも積極参加して、交流を図ろう。
※ 私が上記のことを行ってきたというわけではありません。ただ、手順を追って自分とその家族を支援いただけるネットワークを築いていくのは重要で、且つ一朝一夕で行えることではないということを実感しています‥だから、もしダウン症者の父親から「会いたい」と連絡があれば、大阪近郊ならクローバーのメンバーは必ずあなたに会いに行きます(あんまり遠いところはかんべんしてね!)。