「親なきあと相談室」関西ネットワーク代表理事の藤井奈緒さんが監修した、「想いをつなぐノート」がダウンロード可能になりました。
詳細は八尾市ホームページより。
このノートについて、藤井奈緒さんは下記のように語っています。
「八尾市障がい福祉課さんと一緒に作ったノート『想いをつなぐノート~きみらしく生きるために~』
このノートのコンセプトについて、大切なことを先に書かせて頂きますね。少し長いけど、必ず読んで下さい。
実はこのノート、障がいのある子の親(家族)が、本人のことを詳しく書くこと自体を、目指しているものではありません。
意外に思われた方もいらっしゃるでしょうが、でも、ここが最も重要なんです。
もちろん親(家族)も書くんだけれど、できれば支援者さん方(学校の先生や事業所のスタッフさん、ヘルパーさんなど)にもお願いして、【それぞれが知る本人の姿】を書いて貰うか、尋ねて自分で書き取る、ということをして貰いたいのです。
それにはいくつかの理由がありますが、そのうち3つを紹介しますね。
①支援者さんたちの前での本人の振る舞いや表情は、本人の意思決定支援を行う上で、非常に重要な情報となるから。
親が知っている本人の姿は「本人のすべて」とまでは言えないので(私は実際に、支援者さんたちにこのノートを作成する意味を説明した上で、書いて頂けるよう丁寧にお願いしましたら、通っている2カ所の生活介護のスタッフさんと、入浴ヘルパーさん全員が、一生懸命書いて下さいました。皆さん事業所内で相談して書いて下さったとのことで、本当に有難かったです。ほんと、宝物になります)
②完成したノートを支援者さんたちの間でも共有して貰うと、新たな気付きや発見がたくさんあり、より良い支援の参考にして貰うことができる。もちろん親自身も。
③本人のこと、そして、書いている自分自身(私)のことを『よく知ってくれている人』が、どこに、どれだけ(何人)いるのかということを改めて確認することができる。
もしも「少ないな~」と感じたら、今後、人とのつながりを拡げたり深めたりすることを意識的に行っていくという、きっかけにもなる。
上記のことを念頭に、このノートを作成して頂きたいのです。
「詳しいことは〇〇さんに尋ねて貰えば教えてくれます。連絡先は…」ということだけでも書いておけたらいいかと。もちろん、〇〇さんにはノートに名前と連絡先を記載することについて、了解を得るようにして下さい。
その他には、書いている私自身のことを記載する欄を設けており、エンディングノートの機能も備えています。
そして意外にも?大勢の方からは、特にこの部分を褒めて頂いています。“親なきあと”が訪れた時、実際、親御さんの情報がまるで分らない、ということで、子どもさんの支援者さんや成年後見人さんたちがものすごく困る、というケースが後を絶たないそうなのです。
重要な書類などについては、詳細を書くのが面倒ならば、コピーを綴じておいて下さい。また、なるべくならば、番号などの詳細までは記載せず、その保管場所についても「家族(または友人など)の〇〇が知っています」などと書いておくのが理想的です。防犯上の理由でも。また、近しい人と、大切なことを話しあっておくという意味でも。
このノートを作る上で、他にもたくさん工夫しました。ほんと、これでもか⁈というほど、こだわったんです。デザイン事務所b-dashの 山田紘也さん、デザイナーの上西すみれさんには、本当に、大変なご苦労をお掛けしました。・
八尾市長さんが『親なきあと』のことに熱心に取り組んで下さり、それを受け、障がい福祉課さんが企画し、八尾菊花ライオンズクラブさんが製作費用をご負担下さり、そして、デザイナーさんが私の意を、見事に汲み取って下さって、こんなに素敵なノートができました。
どなたでもご使用頂けますので、良かったら、ノートの形式にとらわれず、好きなようにアレンジして使って下さいね。」
冊子情報 八尾市「想いをつなぐノート」がダウンロード可能に!
投稿日時: 2022/09/28
jimy